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食いしばりをやめる方法は?無意識の癖・寝ている間の対策と受診目安

執筆CDJ
食いしばりをやめる方法は?無意識の癖・寝ている間の対策と受診目安

仕事に集中していると、いつの間にか奥歯をぎゅっと噛んでいる。朝起きたときに顎がだるく、「寝ている間も食いしばっているのかな」と気になっていませんか。

やめようと思っても、気付くとまた噛んでいる。そんな状態が続くと、「自分の意識が足りないのでは」と感じることもあるかもしれません。

けれど、食いしばりへの対応は、気合いだけで何とかするものではありません。特に、日中の習慣と寝ている間の食いしばりは、分けて考える必要があります。

この記事では、無意識の食いしばりに気付く工夫、日中にできる対策、睡眠中の対応、マウスピースの役割と限界を整理します。 歯や顎に痛みがある場合の相談目安も確認していきましょう。

先に結論|日中は「気付いて離す」、睡眠中は「歯を守り、必要な原因を調べる」

日中の食いしばりは、上下の歯が触れていることに気付き、顎の力を抜く行動を繰り返す方法が基本になります。 付箋や通知など、思い出すきっかけを作ることも役立ちます。

一方、睡眠中の食いしばりは意識だけでは調整しにくいため、歯への影響、睡眠、生活習慣などを確認し、必要に応じて歯科用マウスピースを検討します。[1][2]

マウスピースを使えば、食いしばりが必ず完全に止まるわけではありません。目標は、歯の損傷や症状を減らし、無理なく管理することです。

食いしばり・歯ぎしり・歯列接触癖はどう違う?

食いしばりは、上下の歯を強く噛み合わせる動きです。歯を擦り合わせる歯ぎしりと同様に、起きている間にも睡眠中にも起こります。

また、強く噛んでいる自覚がなくても、上下の歯を軽く接触させ続ける「歯列接触癖(TCH)」がみられる場合があります。[1][2]

表は横にスクロールできます。

状態 主な動き 確認するポイント
食いしばり 上下の歯をぎゅっと噛み合わせる 日中か睡眠中か、歯や顎に症状があるか
歯ぎしり 歯を擦り合わせる 家族からの指摘、歯の摩耗や欠け
歯列接触癖(TCH) 食事などをしていないときも、歯を軽く触れさせ続ける 仕事や家事など、どんな場面で接触が続くか

何もしていないとき、上下の歯は常に噛み合っている必要はありません。 顎の力が抜けていれば、歯と歯の間には自然なすき間があります。

ただし、一度歯が触れていたことだけで病気とは判断できません。繰り返す習慣や症状、歯への影響を確認します。

日中の食いしばりをやめるためにできる5つのこと

まずは、「一日中気を張って噛まないようにする」よりも、気付いたときに力を抜ける仕組みを作りましょう。

1.食いしばっている場面を見つける

パソコン作業、スマートフォンを見ているとき、家事、移動中などに、奥歯が触れていないか時々確認します。

確認のためにわざと強く噛む必要はありません。その瞬間の口の状態を、そっと確かめるだけで十分です。

2.気付いたら歯を離し、顎の力を抜く

歯が接触していたら、顎の力を抜いて上下の歯を少し離します。肩の力も抜き、無理のない呼吸をしましょう。

大きく口を開け続けたり、下顎を無理に前へ突き出したりする必要はありません。唇を閉じるために強い力が必要な場合も、無理をせず相談してください。

3.付箋や通知を「思い出すきっかけ」にする

机や画面の近くに「歯を離してひと息」と書いた付箋を置くなど、普段の生活の中で気付ける工夫を取り入れます。

通知を使う場合も、仕事や生活の負担にならない範囲で構いません。気付けなかった自分を責めるためではなく、力を抜くきっかけとして使いましょう。[1][2]

4.作業中の姿勢と休憩を見直す

首や肩に力が入った姿勢が続いていないか確認し、作業の区切りで楽な姿勢に戻ります。

姿勢を直すだけで食いしばりが必ず治るわけではありませんが、顎の力を抜く行動と組み合わせて、続けやすい環境を整える方法です。[4]

5.時間帯と症状を簡単に記録する

例えば、「資料作成中に噛んでいた」「夕方に顎が疲れる」「朝は歯がしみる」など、気付いたことを短くメモします。

これは自分で診断するための点数表ではありません。受診時に、何がいつ起きるかを伝えるための記録です。ずっと口元を監視して、不安を強める必要はありません。

「思い出す仕組み」は研究でも検討されています

2024年に報告された72人を対象とする30日間の研究では、日中のブラキシズムに対し、スマートフォンと貼り付け式リマインダーを組み合わせた介入が検討され、行動の自己申告頻度の低下が報告されました。

ただし、これだけで長期的な治癒や睡眠中の改善まで証明されたわけではありません。「必ず治る方法」ではなく、日中の習慣に気付く工夫を考える参考になります。[6]

無意識に食いしばる原因はストレスだけ?

ストレスは関係する要因の一つですが、原因をそれだけに決めつけることはできません。

歯ぎしり・食いしばりには、心理的な要因、体質、カフェインや飲酒、喫煙、一部の薬剤など、複数の要素が関係するとされています。すべての人で同じ理由が見つかるわけではありません。[5]

「性格の問題だから仕方がない」「噛み合わせを変えれば全部解決する」と考えるのではなく、起こる時間帯、生活の変化、歯や顎の状態を整理しましょう。

薬を飲み始めてから気になるようになった場合は、処方した医師にも相談してください。自己判断で服薬を中止しないことが大切です。

寝ている間の食いしばりはどう対策する?

睡眠中の食いしばりは、「寝ている間も歯を離そう」と意識するだけでは管理できません。

日中の対策とは分けて、睡眠の状態と歯への影響を確認します。家族から歯ぎしりを指摘されたことや、朝の顎の疲れなどは、歯科で相談する手がかりになります。[4][5]

睡眠と生活習慣を整える

就寝時刻をなるべくそろえる、寝る前に落ち着く時間を作る、夜間のカフェインや飲酒の習慣を見直すなど、睡眠環境を整えます。

これらは管理の一部であり、続ければすべての食いしばりがなくなるという意味ではありません。症状や歯の損傷がある場合は、生活習慣の見直しだけで済ませず相談しましょう。[3]

大きないびき・呼吸の停止・日中の強い眠気も確認する

大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘される、日中の眠気が強いといった場合は、睡眠時無呼吸などの評価が必要になることがあります。

食いしばりがあるだけで睡眠時無呼吸とは診断できませんが、こうした症状を伴う場合は、医師や睡眠を扱う医療機関にも相談してください。[8]

マウスピースを使えば食いしばりは治る?

歯科用マウスピースには歯を保護する役割がありますが、食いしばりが必ず完全に止まるわけではありません。

ナイトガードやスプリントと呼ばれる装置は、歯の摩耗や破損を防ぐ目的などで使用されます。必要性は、歯の状態や症状を確認して判断します。[2][3]

つまり、「装置を使っているのに噛む動きが残る=まったく意味がない」とは限りません。一方で、装着後に痛みが強くなる、歯ぐきが傷つく、噛み合わせに違和感が出る場合は、無理に使い続けず作製した歯科医院へ相談してください。

市販品を自己判断で使い続けない

合わない装置は、歯や歯ぐきに問題を起こすことがあります。また、やわらかい装置で食いしばりが増えると感じる人もいるため、「やわらかいほどよい」とも限りません。

素材だけでなく、歯への適合や噛み合う位置、装着時間の確認が重要です。装置を自分で削ったり、違和感を我慢して使用したりしないでください。[4]

矯正用マウスピースやリテーナーとは目的が違います。

すでに矯正装置・リテーナーを使用しているあなたは、食いしばり対策として別の装置を重ねたり、自己判断で交換したりせず、担当医に相談してください。

食いしばりを改善したくても、避けたい対処法

顎が痛いのに、ガムや硬いものを噛んで鍛える

顎や歯に痛みがあるときは、ガムや硬い食品で負担を増やすことは避けましょう。「噛む筋肉を鍛えれば食いしばらなくなる」とは考えません。[3]

痛みを我慢して強く揉む・大きく開口する

顎の運動や理学療法が役立つ場合はありますが、状態に合う方法を専門家から教わることが大切です。痛いほど押したり、無理に口を広げたりする自己流の対処は避けてください。[5]

食いしばりだけを理由に、すぐ歯を削る・矯正する

歯や顎の症状の原因が明確でないまま、噛み合わせを大きく変える治療を急ぐことは慎重に考える必要があります。

顎関節症の治療では、歯や噛み合わせを永久的に変える処置を安易に選ばず、まず保存的な対応を検討する考え方が示されています。[7]

虫歯や不適合な修復物など、別の理由で治療が必要な場合はあります。しかし、「食いしばるから健康な歯を削ればよい」という話とは分けて判断します。

自分では食いしばりに気付かないとき、何を確認する?

家族からの歯ぎしりの指摘、朝の顎の疲れ、歯のすり減り、欠け、しみる症状などが、確認するきっかけになります。

ただし、これらの症状があるからといって、食いしばりだけが原因とは限りません。虫歯や歯のひび、顎の関節・筋肉の問題など、別の原因も調べる必要があります。[2][7]

症状のない軽い習慣まで、すべて病気として治療するわけではありません。 歯への影響や痛み、生活上の困りごとを合わせて判断します。

食いしばりは何科に相談する?受診したい症状

歯の欠け・しみる症状・顎の痛みがある場合は、まず歯科医院で相談する方法があります。

診察では、いつ症状が出るか、歯や詰め物に損傷がないか、顎の筋肉に痛みがないかなどを確認します。必要に応じて、口腔外科や顎の痛みを扱う医療機関、睡眠医療などへつなぐこともあります。[5]

次のような場合は、セルフケアだけで様子を見続けないでください。

  • 歯が欠けた、噛むと特定の歯が痛い、しみる症状が続く
  • 顎の痛みが続く、口を開けにくい、食事に支障がある
  • 歯ぎしりを繰り返し指摘され、歯への影響が気になる

強い腫れや発熱を伴う場合は、食いしばりと決めつけず早めに医療機関へ相談してください。呼吸しにくい、飲み込みにくいほど腫れている場合は、通常の予約を待たず救急医療を利用してください。[3][9]

歯科相談では「装置を作る前」に何を確認する?

受診したらすぐマウスピースを作ると決まるわけではありません。まず、あなたに何が起きているかを確認します。

相談時には、症状が出る時間帯、日中に気付く食いしばり、家族からの指摘、服薬、現在使用している装置を伝えてください。

治療の説明を受けるときは、「何を改善する目的か」「装置が必要か」「合わない場合はどう調整するか」「診察・検査・装置・調整を含む費用」を確認しましょう。

食いしばりへの対応は、生活上の工夫、歯の保護、痛みへの対応などで内容が変わります。一律の治療費や、全員共通の治療期間があるわけではありません。

歯やセラミックが欠けた場合は、修復と習慣への対策を分ける

食いしばりが気になっているあなたに、すでに歯や詰め物の欠けがある場合は、その損傷への対応も必要です。

欠けた部分を直すことと、繰り返し負担がかかる習慣を管理することは別の課題です。 修復物の交換だけで食いしばりがなくなるとは限りません。[2]

食いしばりをやめる方法についてよくある質問

Q. 気付くと奥歯を噛んでいます。まず何をすればいいですか?

気付いたときに顎の力を抜き、上下の歯を少し離しましょう。付箋や作業の区切りをきっかけにすると、無意識の習慣に気付きやすくなります。ずっと気を張り続ける必要はありません。

Q. 強く噛んでいなくても、歯が触れていたらよくないですか?

食事などをしていないときに歯を軽く触れさせ続ける習慣は、歯列接触癖として確認します。ただし、一度触れていただけで異常とは判断しません。頻度や症状、歯への影響を見ます。

Q. 食いしばりは何日で治りますか?

一律には決められません。日中の習慣なのか、睡眠中のものなのか、歯や顎に症状があるかによって対応が異なります。「数日で完全に止める」より、続けやすい対策と症状の確認を重ねます。

Q. 寝る前に「噛まない」と意識すれば止められますか?

睡眠中の食いしばりを、意識だけで止められるとは限りません。歯の保護や睡眠の評価が必要になることもあるため、歯の損傷や朝の症状が気になる場合は相談してください。

Q. マウスピースをしていても食いしばるのは、意味がないからですか?

必ずしもそうではありません。装置には歯を保護する目的もあるため、噛む動きが残っていても役割を果たしている場合があります。ただし、痛みや違和感が増える場合は、使用方法や適合を歯科で確認してください。

まとめ|食いしばりは、昼と夜を分けて無理なく管理する

食いしばりを減らしたいときは、まず日中の習慣と睡眠中の状態を分けて考えます。

日中は、噛んでいることに気付き、顎の力を抜く工夫を取り入れます。睡眠中は、歯への影響や睡眠の状態を確認し、必要に応じて装置などを検討します。

「もっと意識しなければ」と自分を責めるより、気付く仕組みを作り、歯や顎に症状があれば相談することが大切です。

大阪・梅田で、食いしばりによる歯の負担が気になるあなたへ

「歯がすり減っていないか心配」「治療したセラミックに負担がかかっていないか知りたい」という段階でも、現在の歯の状態を確認することから始められます。

予約時には、例えば「日中に奥歯を噛みしめることがあり、夕方に顎が疲れます。歯への影響を相談したいです」と伝えると、相談内容が明確になります。

必要な診療や装置治療への対応、費用は、事前に医院へご確認ください。顎の痛みや睡眠の問題について専門的な評価が必要な場合は、それぞれに対応する医療機関への相談も検討します。

梅田デンタルクリニック

大阪市北区小松原町3-3 OSビル10F

電話:06-6364-4698

医院へのアクセスを確認する

食いしばりが、歯に影響していないか確認しませんか?

最初から治療方法を決める必要はありません。気になる時間帯や症状を伝え、今の歯の状態と必要な対応を確認しましょう。

歯の状態について相談・問い合わせをする

無料カウンセリングは事前予約制で、原則として当日はカウンセリングのみです。痛みや診療の希望がある場合は、予約時にお伝えください。検査・装置・処置の費用は別途ご確認ください。

参考文献・医療機関等の情報
  1. 日本歯科医師会:お悩み相談!教えて先生「TCH」 ― 歯列接触癖と、気付き・リラックスを取り入れる方法。
  2. 米国国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR):Bruxism ― 歯ぎしり・食いしばりの症状、診断、行動面の対応、装置の役割。
  3. 英国NHS:Teeth grinding(bruxism) ― 生活習慣、睡眠、歯科への相談目安。
  4. Leeds Teaching Hospitals:Clenching and grinding your teeth ― 日中と睡眠中の違い、スプリントの目的と注意点。
  5. NIDCR:Ask The Expert — Bruxism ― 関連要因、歯科での評価、専門的な相談。
  6. Poluha RL, et al. J Oral Rehabil. 2024;51:917–923. ― 日中のブラキシズムに対し、デジタルツールと貼り付け式リマインダーを検討したランダム化比較試験。
  7. NIDCR:Temporomandibular Disorders ― 顎の痛みの評価、保存的な対応、不可逆的治療への注意。
  8. 米国国立心肺血液研究所(NHLBI):Sleep Apnea Symptoms ― いびき、呼吸の停止、日中の眠気などの確認。
  9. 英国NHS:Dental abscess ― 強い腫れや呼吸・嚥下の異常を伴う場合の対応。

医療情報について
この記事は、食いしばり・歯ぎしり・歯列接触癖について一般的な情報を提供するものです。症状だけで原因を特定することはできません。装置の適応、必要な診察・検査、治療方法、費用は、歯・顎・睡眠・全身状態などによって異なります。個別の対応は歯科医師または医師へご相談ください。

執筆者

CDJ

内容確認

CDJ

確認日:2026-09-06